遺言いついて
■遺言について
遺言は、人の生前における最終の意思を死後に実現することを認める制度であります。
■遺言の制度が認められている理由
人はその死後において自己の財産や血縁者の身分上のことなどについて、しかるべき措 置を講じておきたいと望む場合があります。そのような場合にその人の生前の意思を尊 重し、死後においてその意思を実現させるために認められている制度であります。
■遺言事項
遺言することができる事項は次のとおりであります。
1.財産上の遺言事項
・財産の処分に関する事項
・相続に関する事項
2.身分上の遺言事項
・認知
・親権者による未成年後見人及び未成年後見監督人の選任
3.遺言執行に関する事項
・遺言執行者の指定とその委託
■遺言の方式
遺言の方式には普通方式による遺言と特別方式による遺言があります。
1.普通方式による遺言
自筆証書遺言
公正証書遺言
秘密証書遺言
2.特別方式による遺言
危急時遺言
死亡危急者遺言
船舶遭難者遺言
隔絶地遺言
伝染病隔離者遺言
在船者遺言
※通常の相続で遺言がある場合ほとんどが自筆証書遺言または公正証書遺言です。
■自筆遺言証書作成の留意点
1.自書
全ての文章を遺言者自身が書かなければなりません。日付・氏名・捺印の1つでも洩れている場合は無効です。ワードで書いた文章や記名印を押印したものは真に本人が作成したものであるかどうかの判断が付かないので無効となります。
2.日付
必ず年・月・日が解るようにしなければなりません。「六十歳の誕生日」というように年・月・日が解るような書き方でも良いとされています。
また、日付は遺言書の本文中でも末尾でも記載されていれば良く、その一体性が認められれば封筒に記載されていても有効とされます。
※2通以上の遺言書が現れた場合は日付が最も新しいものが有効となります。
3.氏名
全く氏名のないものは無効になります。本人の自筆であることが解れば単に名を自書するだけでも良く、雅号・芸名・ペンネームなどを用いてもさしつかえありません。
4.捺印
印は必ずしも実印ではなく認印でも良く、拇印でも良いとされています。他人に手を添えてもらって押した場合はもちろん、他人に代わって押してもらったものでも良いとされています。
5.遺言書の訂正
遺言書に加除訂正を加える場合には、その場所を指示し、これを変更したことを付記してこれに署名し、その変更場所に押印しなければなりません。
6.封入
民法に封入することを求めていませんが一般的には封入するケースがほとんどであります。
